丁子刃 [ ちょうじば ]
丁子の蕾に似て頭が丸く、下のすぼまる形が連なった刃文。
鎌倉時代の備前の作に多く見る。
互の目 [ ぐのめ ]
碁石を並べたように焼刃の頭が丸くそろって連続しているもの。
互の目に不定形の乱れ刃が交じるものを互の目乱れと言う。
沸 [ にえ ]・匂 [ におい ]
焼刃境の粒子がキラキラと輝いて見えるのが沸、粒としてはとらえられす、天の川のように白くかすんで見えるものを匂と言う。
沸も匂も、金属学でマルテンサイトやトルースタイトと呼ぶ炭素を固溶した硬い組織である。
金筋 [ きんすじ ]・稲妻 [ いなずま ]
刃縁や刃中にあって周囲し異なり、黒く光輝いている直線状のものを金筋(金線とも)と言い、屈折しているものを特に稲妻と呼ぶ。
これらは地の部分ではしばしば地景となって現れる。
鉄 [ てつ ]・鋼 [ はがね ]・銑 [ ずく ]
一般に鉄と総称するが、工業上は炭素含有量0.04~1.7%のものを鋼、それ以下を鉄、それ以上を銑という
江戸時代初期に編まれた「和漢三才図会」では、鉄を熟鉄・柔金と記し、いずれもナマカネと読んでいる。
延鉄(のべかね)・包丁鉄・錬鉄(ねりかね・れんてつ)と呼ぶのも鉄である。 鋼はしばしば釼の文字を当てている。
銑(銑鉄)は俗にズクとかナマコと言い、鋳物の素材になるために鋳鉄(鋳鉄)とも言う。
鍋・釜を鋳たので、鍋鉄とも称した。
また、生鉄(なまがね)の名称も知られているが、ナマガネと言うとき、刀鍛治のほとんどは銑ではなく、鉄を指している。 |